【断層映像研究会雑誌 第35巻 第2号  2008年9月】
      総説
頭蓋内感染症の画像診断―知っておくべき検査法の選択とその所見―   土屋 一洋
    連続講座:断層映像法の基礎 第25回 
ベクトル表現を利用した逆変換 篠原 広行、他
     


 

総説

 

頭蓋内感染症の画像診断―知っておくべき検査法の選択とその所見―

土屋 一洋

杏林大学医学部放射線医学教室


Imaging of Intracranial Infectious Diseases

Kazuhiro Tsuchiya, M.D.

Department of Radiology, Kyorin University School of Medicine


要旨
 頭蓋内感染症の臨床では、臨床経過や各種検査所見に加えCTやMRIによる画像診断が大きな役割を担っている。これらは病変の存在診断のみならず、しばしば特徴的所見から質的診断において重要な情報をもたらす。さらに治療法の選択、予後の判定、経過観察の上でも意義が大きい。画像診断の有用性をひき出すにはこの範疇に含まれる各種病態の画像を十分把握しておき、得られた所見から正確な診断を下す必要がある。とりわけ進行が早いこれら病態では的確な検査法の選択が肝要である。本稿では画像検査選択の概説に続き、頻度的に重要な頭蓋内感染症を取り上げて解説する。

Summary
 In the clinical practice of intracranial infectious lesions, neuroimaging examinations, especially CT and MR imaging, play an important role not only in assessing the presence but also evaluating the extent of the disease. They also provide valuable information on the choice of the way of treatment as well as the prediction of the prognosis. This article describes how to select imaging modalities placing emphasis on MR imaging followed by findings of frequently encountered diseases that include purulent meningitis, brain abscess, viral encephalitis, and intracranial tuberculosis.

Key words
脳、感染症、造影剤、brain、infection、CT、MRI、contrast material

 

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連続講座

断層映像法の基礎 第25回

ベクトル表現を利用した逆変換

篠原 広行1)、藤堂 幸広1)、軽部 修平1)、小島 慎也1)、橋本 雄幸2)

1)首都大学東京人間健康科学研究科 放射線科学系
2)横浜創英短期大学 情報学科


はじめに
 第24回では、2次元の平行移動と回転、さらに拡大縮小の画像変換について、ベクトルで表現する方法を解説した。さらに、非線形変換を含めた一般化についても考えた。今回は、平行移動、回転、拡大縮小の変換がベクトル表現として粗いサンプリングで分かっているときに、それをもとに変換前の画像に戻す方法と、どの程度の精度で戻るかを検証する。また、非線形の変形が伴った場合に、同様の方法を用いて、どの程度の精度で戻るかを検証する。


 

1.ベクトル表現からの逆変換
 1-1 粗いサンプリングの変換ベクトル
 1-2 最近傍補間
 1-3 線形補間
 1-4 3次多項式補間
2.ベクトル表現からの逆変換の検証
 2-1 平行移動
 2-2 回転移動
 2-3 拡大縮小
3.非線形変換と逆変換

 

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