【断層映像研究会雑誌 第37巻 第3号  2011年2月】
      連続講座:断層映像法の基礎 第32回 
・ML-EM 法とOS-EM 法 篠原 広行、他pdf(2.1M)(2011.2.23掲載)
   

総説
・MDCT による小腸閉塞診断 長田 久人、他pdf(778k)(2011.3.15掲載)

     

雑誌のオンライン化に伴い、バックナンバーの公開方針を変更し1年以上前の論文は全て全文を無料でダウンロード出来る様に致しました。ダウンロードされた論文の利用目的はあくまでも私的利用に限られておりますのでご注意下さい。

私的利用以外についてはこちらへ  複写をご希望の方へ

 

連続講座

断層映像法の基礎 第32回

ML-EM 法とOS-EM 法

篠原 広行1)、桑山 潤1)、小川 亙1)、橋本 雄幸2)

1)首都大学東京人間健康科学研究科放射線科学域
2)横浜創英短期大学情報学科



はじめに
第31 回では繰り返しを利用して徐々に解に近づけていく方法を紹介した。本稿ではその繰り返しを使った方法で最も多く使われているML-EM 法とOS-EM 法について解説する。また、その方法を利用した数値シミュレーションの結果についても紹介する。

1.投影、逆投影と検出確率
2.ML-EM 法
3.OS-EM 法

ページの先頭(37-3目次)に戻る▲

 

総説

 

MDCT による小腸閉塞診断

長田 久人、渡部 渉、岡田 武倫、大野 仁司、本田 憲業

埼玉医科大学総合医療センター 放射線科


MDCT diagnosis of small bowel obstruction

Hisato Osada, Wataru Watanabe, Takemichi Okada, Hitoshi Ohno, Norinari Honda.

Saitama Medical Center, Saitama Medical School Department of Radiology



要旨
 MDCT は薄いスライスやMPR の利用により詳細な評価が可能で、腹痛患者の評価に広く利用されている。急性腹痛患者の中でも小腸閉塞は比較的頻度の高い疾患であるが、MDCT による薄いスライスやMPR 像の利用により、小腸閉塞部の同定やclosed loop obstruction の有無は従来のCTより容易となった。小腸閉塞において、単純性イレウスと絞扼性イレウスの鑑別は治療方針の違いから非常に重要である。絞扼性イレウスのCT 所見としては腸管濃染低下・欠損、腸間膜濃度上昇、腸間膜静脈拡張、腹水などが知られている。腸管壁濃染低下・欠損が最も特異度の高い所見であるが、従来のCT では感度は低かった。MDCT による薄いスライスでは部分容積効果の影響が少なく、腸管壁濃染の評価は従来のCTより可能であり、絞扼性イレウスの診断能の向上が期待される。本稿ではMDCT による小腸閉塞診断の手順、絞扼性イレウス所見、MDCT 所見に基づく小腸イレウスの治療戦略について概説する。

key words
小腸閉塞、絞扼性イレウス、CT, MDCT

 

  【受付:2011年2月28日】

ページの先頭(37-3目次)に戻る▲

学会誌一覧ページへ

 


copyright(c)Japanese Association of Tomography.all rights reserved