【断層映像研究会雑誌 第39巻 第3号  2013年1月〜3月】
      連続講座:断層映像法の基礎 第38回 
・トモシンセシスと再構成 篠原 広行、他pdf(3M)(2014.2.28掲載)
    総説
・腫瘍PET/CT 検査の将来展望 中本 裕士pdf(1.4M)(2014.2.28掲載)
     

 

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連続講座

断層映像法の基礎 第38回

トモシンセシスと再構成

篠原 広行1)、中世古 和真2)、橋本 雄幸3)

1)首都大学東京
2)東邦大学医療センター大橋病院放射線部
3)横浜創英大学こども教育学部



はじめに
 第37 回では、トモシンセシスの原理と基本となるシミュレーションについて解説した。今回は、そのトモシンセシスを制限角度投影として再構成の立場から考える。
  

 1.トモシンセシスと制限角度投影
 2.制限角度投影再構成
 3.トモシンセシスの再構成

 

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総説

 

腫瘍PET/CT 検査の将来展望

中本 裕士

京都大学大学院医学研究科放射線医学講座 画像診断学・核医学


抄録
 悪性腫瘍の治療方針を考慮する上で、フルオロデオキシグルコース(FDG)を用いたPET/CT 検査は、重要な画像診断法のひとつと認識されている。検査薬FDG の商用供給が可能となったことで、自施設にサイクロトロンを設置する必要が無くなり、検査可能施設は著しく拡大した。平成22 年度の診療報酬改訂により、FDG -PET/CT 検査の保険適用における悪性腫瘍の限定が撤廃され、現在では早期胃癌を除くすべての悪性腫瘍に対してPET/CT 検査が行われている。腫瘍巣の検索においては一定のエビデンスが確立されているPET/CT検査であるが、臨床貢献に向けて今後どのような方向性が予測されるのか考察した。第一に、転移・再発診断としての重要性は変わらないが、今後は治療効果判定や予後予測に対して検査の目的が拡大されるであろう。実際、平成24 年度の診療報酬改訂では、悪性リンパ腫に対する効果判定にPET/CT を施行することは差し支えないと判断された。次に炎症性疾患への臨床応用である。FDG が炎症巣にも集まるため、腫瘍か炎症かの鑑別に難渋することが多いが、炎症巣の発見や、集積の形状および分布パターンにより炎症性疾患を推測することができる。その先駆けとして同じく平成24 年度の診療報酬改訂にて心サルコイドーシスへの適用がみとめられることになった。撮像機器の進歩としては一体型PET/MR 装置や乳房専用PET 装置など新規装置が開発され、臨床画像が出始めている。どのような状況で臨床的有用性を発揮するのか、さらなる検討を継続する必要がある。さらに核医学検査で使用される放射性薬剤の発展も著しく、特異的な情報を画像化する薬剤の臨床応用が一層進むと期待される。現状をふまえこれからのPET/CT 検査を展望する。

Key words
PET, CT, PET/CT, FDG, 腫瘍イメージング

 

  【受付:2013年1月24日】

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