第52回断層映像研究会

 

 

 

 


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大会長挨拶

大会長挨拶

市川 智章

第52回 断層映像研究会
大会長 市川 智章
群馬大学大学院医学系研究科放射線診断核医学講座

 断層映像研究会は断層撮影法の研究を目的に、CTアナログ版である回転横断撮影装置の開発者として高名な高橋信次先生らをはじめとして創設され、昭和48年に第1回学術集会が開催され現在51回開催まで途切れることなく開催されてきた長い歴史を有する研究会であり、日本医学放射線学会の関連学会でもあります。最近は若手放射線診断医師の教育の場として、今後もますます発展が望まれる研究会でございます。
 この度、世話人会のご指名によりまして「第52回断層映像研究会」を2024年11月 1日(金)・11月2日(土)の両日、軽井沢駅近の“ホテルマロウド軽井沢”にて開催することとなりました。 諸先輩先生方の熱い思いが引き継がれている当研究会開催のお世話をさせて頂くことになり、身の引き締まる思いでございます。新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行後というタイミングであり、コロナ禍後初の現地開催のみの完全対面形式(後日オンデマンド配信あり)での開催を予定しております。
 第52回断層映像研究会のテーマは「読影の秋、画像診断に浸る- in 軽井沢-」としました。放射線診療に携わるあらゆる医師や技師、放射線診断機器・薬品に関わる医療関係者らが、晩秋の軽井沢にて、最新知識のアップデートの場としてじっくり画像診断に浸れる場になることを期待しております。
 近年我が国の医学研究の国際競争力に陰りが見えるという指摘がされておりますが、その一因として、若手医師の現地学会不参加、ひいては若手研究者の減少があげられます。これは当研究会・放射線科だけの傾向ではなく、医学会全体の深刻な問題として認識すべき事項です。web参加は効率性という点ではメリットが大きいですが、間違いなく通り一遍の知識しか学べません。日々の臨床において本当に重要な知識や研究の題材は、経験豊富な諸先生方が学会の討論や立ち話の中で非公式に述べる発言の中にこそあるということは、私も幾度ともなく経験してきたことです。また、発表者が醸し出す臨床・研究における“熱量”、それを肌で感じた後自身の内に起こる「やってみよう」という高揚感は、現地参加でしか得ることはできません。若手医師の方々には、是非現地参加をしていただき、web参加との違いを感じていただきたいと切に願っております。本研究会の世話人会は全国規模の学会と遜色ない大勢の高名な方々で構成されております。今後の医学会に対し私と同じ危機感を共有する世話人の先生方は、是非前途有望な若手の先生との同伴出席をお願いしたと思います。  それでは、第52回断層映像研究会開催予定の、夏の喧騒が嘘のようにしっとりと落ち着き紅葉真っただ中の軽井沢でお会いしましょう。

2024年1月吉日