第50回断層映像研究会を2022年9月30日（金）から10月1日（土）の2日間、東京大学内の伊藤国際学術センターにおいて無事ハイブリッド開催することができました。新型コロナウイルス感染症（COVID-19）パンデミック後の学会・研究会ではオンライン配信が当然となり、それによる感染防御や情報通信における適応拡大と技術革新が我々の生活様式を大きく改変しましたが、対面によるヒト対ヒトの直接的なコミュニーケーションの重要性や知識の深まりも揺るぎない事実であると考えております。実際最近開催されている複数の学会では現地参加の先生方との直接交流が増えており、本研究会でも現地参加の先生が少なくなかったことを大変嬉しく感じております。
断層映像研究会は昭和48年福島において第1回大会が断層映像法研究会としてスタートし、途中画像診断機器の進歩などに即して第17回より断層映像研究会に改称され、一貫して日本医学放射線学会の関連団体として活動してきた大変歴史ある研究会です。その節目となる第50回研究会を担当させていただくにあたり、その重積に身も引き締まる思いで、会の運営に臨みました。テーマとして「画像診断の神髄に迫る」を掲げ、4つの教育講演（日本専門医機構認定放射線科領域講習（診断）を最大４単位取得可能）、6つのセミナーを企画し、CT・MRI・血管造影・核医学などの画像診断に関して、頭のてっぺんから骨盤まで網羅し、それぞれ各領域のトップリーダーの先生方にご講演を頂くと同時に、29題もの一般演題口演発表を行っております。短期間の研究会としては大変充実した内容であると自負しておりますが、これもひとえに研究会発表をご快諾いただいた先生方のご尽力の賜物であると心より感謝申し上げます。
ポスターでお示しした安田講堂前の銀杏並木が色づくにはやや早い時期での開催となりましたが、東京大学内にはいくつもの歴史的建造物もあり、研究会前後で日々の疲れを癒やし、学問に専念するには絶好の環境でした。また会の開催にあたって至らぬ点が多々有ったと思いますが、この場をお借りしてお詫び申し上げます。本研究会が参加された先生方の今後の診療に少しでも役立ち、診療・研究に関連した最新の情報提供・交換の場となったことを祈念しております。
次回は名古屋大学 竹原康雄教授が主催されます。来年も是非ご参加下さい。
最優秀賞
■佐藤 晴佳 先生
市中肺炎の起炎菌を推定せよ！〜decision treeを用いて、推定正答率８割を超えろ〜
優秀賞■ 大熊 康央 先生
前立腺癌骨転移に対するRa-223内用療法後の予後予測におけるBSI有用性の検討
■ 福本 航 先生
院外の内因性心停止に対する死後CTの死因診断能に関する検討
■ 尾田 済太郎 先生
心アミロイドーシスの病勢評価におけるT1・T2マッピングの臨床意義
■ 長谷川 知仁 先生
dual energy CTから得られる実効原子番号と脳ミエリン量の比較
